コペンハーゲン南部の海岸沿いの町へ
コペンハーゲンから近郊列車で20分弱、南下した海岸沿いの町IshøjにあるARKENで自分の大好きなデンマークの画家Bjørn Wiinbladの展覧会があり、講演会の日に出かけていった。
カラフルなイラストで知られ、ドイツやデンマークの食器メーカーとコラボレーションしたポーセリンなど、デンマークの家庭では広く知られたイラストレーターのBjørn Wiinblad(1918-2006)。
ARKEN概観
Bjørn Wiinbladのアトリエから
今回の展覧会は、Bjørn Wiinbladのオリジナルのイラストの展示以外にも、彼が晩年に暮らした自宅から運んできた調度品も一緒に展示しているのが大きな特徴である。したがって今までに知らない作品も随分あった。壁にも彼の住宅の写真を大きく広げて貼っていた。
陶器類の展示室。Bjørn Wiinbladの所有する仏像なども展示してあった。
展示のほとんどは彼のオリジナルのイラストだが、それらの他に、彼が担当した王立バレエ団のステージデザインとコスチュームデザインが展示されていた。Wiinbladの作風はカラフルでファンタジックなものが多い。モノトーンでシンプルなデザインが受けるデンマークでは、彼の作風は良い意味で少し子供っぽいかもしれないが、それでもWiinbladが好きなデンマーク人は多い。
『クルミ割り人形』のコスチューム
Wiinbladの描く人物
Wiinbladの描く人物の特徴は、どれもアニメのようにディフォルメされて、大人を描いても子供のような頭身のバランスを持っていることである。講演会ではモディリアーニと比較されていたが、Wiinbladの絵を見ていると、棟方志功(1903−1975)と似ている気がする。
Wiinbladのイラストをもとにつくられたタペストリー。色の指定も決まっている。
Wiinblad Studioの陶器
ポットプランターのコーナー。壁にかかっているのはチボリ公園の為にかかれたポスター。
Wiinbladの陶器は量産品でも、古いものはNymolleという会社のものでデンマークのアンティークショップや蚤の市で、最近リバイバルされたカップやお盆、キャンドルスタンドなど(
http://www.bjornwiinblad-denmark.dk/)が、デパートなどで入手できる。この上の写真にある手描きの陶器については、アンティークショップまたはWiinbladの自宅のあったコペンハーゲンの北にあるLyngbyという町にあるスタジオで売っている。
モノトーンで大人っぽいものが好きなデンマーク人には少しメルヘンチックでカラフルすぎるのか、デンマーク以外では彼の作品はドイツや一部アメリカで取り扱っている以外、あまり見かけない。Wiinbladは日本ではそんなに知られていないけれど、日本人はきっと好きじゃないかなと思う。
Bjørn Wiinblad展
場所:ARKEN Museum for Moderne Kunst アーケンモダンアート美術館
(コペンハーゲン中央駅からS-togでIshøj駅、Ishøj⇆ARKEN間循環バスで10分ぐらい。
ホームページ:
http://www.arken.dk/
期間:2015年6月13日〜2016年1月17日
PR
2015/11/27
アート